国家間の通常型戦争の範疇(はんちゅう)には入らない事態、すなわち平和および抗争事態における軍隊の行動の総称。戦争以外の作戦(OOTW)ともいう。(1)戦闘行動と警察行動との境界が不鮮明な事態(人道的武力介入、テロ対処、治安維持、PKO〈平和維持活動〉、麻薬取引・海賊行為の取り締まり等)、(2)戦闘行動を伴わない事態(災害救助、人道・復興支援、医療支援等)がある。これらの事態は、平時、戦時、戦後にわたり起こる。この際、軍隊は、その使用にあたって政治的・社会的・経済的考慮が重視されるため、他の国家機関と統合一体的に行動する。冷戦後、米軍はMOOTWを「戦争の抑止・対処」と並ぶ主要任務と位置づけ、そのためのドクトリン「安定化行動」(Stability Operations)を開発し、その重要性を強調している。