宇宙における行動の自由を確保するため、宇宙部隊によって宇宙での敵対行動を阻止する戦闘行動をいい、地上から宇宙の敵に対する攻撃も含まれる。しかし、宇宙から地球の敵に対する攻撃は含まれない。宇宙部隊には、宇宙のみならず、地球に存在する人員・組織・装備・施設が含まれる。宇宙戦は、1950年代に偵察衛星が実用化されるとすぐに、敵側の偵察衛星を攻撃する手段である対衛星兵器(ASAT)の開発から始まった。核弾頭を爆発させて衛星を破壊する方式、地上から打ち上げたミサイルを衛星に体当たりさせる方式、接近して自爆させ、破片によって破壊する方式等が研究された。このうち、最も容易な核弾頭による衛星攻撃は、67年の宇宙条約において、大気圏外における核兵器利用が制限されたため、それ以降進められていない。91年の湾岸戦争以降、通常兵器による宇宙戦が注目されるようになった。2007年1月には、中国が対衛星兵器の実験に成功したことから、宇宙戦遂行能力の強化が再び議論を呼んでいる。議論の中心は、宇宙軍の創設の是非である。