政府機関と契約して、戦闘の実施、政府職員の警護、正規軍の軍事訓練、兵站業務等の軍事業務を肩代わりする営利企業。アメリカのブラック・ウオーター社(現Xe社)などが有名である。軍の委託を受け、その業務を行う会社それ自体は先進諸国では普通で、特に新しいものではない。しかし、次の点が最近の特徴として挙げられる。1990年代になって、欧米を中心に続々誕生し、売り上げを伸ばしてきたこと。特に米軍は、冷戦の終結で兵力を大幅に削減したため、兵力不足が生じ、このような企業にアウトソースせざるをえなくなった。その結果、PMC派遣社員は、湾岸戦争では、兵士100人に対し1人であったが、イラク戦争では、兵士10人に対し1人以上に激増している。元特殊行動部隊隊員を中心に部隊を組織して、戦闘行動を請け負うといった領域まで進出したこと。将来は国連のPKO(平和維持活動)にまで、領域を拡大しようとしていることなどである。