情報戦の一形態で、コンピューター間における情報の伝達を巡る戦い。その目的として、秘密情報の収集(あるいは保全)、データの破壊・改ざん(防護)、交信の妨害・阻止(確保)、電力・水道・交通・流通等インフラ網の無能化(機能維持)、世論の形成や扇動(阻止)等があげられる。手段としては、コンピューターを熟知した者(ハッカーやクラッカー)の集団や、国家によって組織されたサイバー専門部隊が、敵対する国家・集団等のコンピューターに侵入してウェブページを閲覧・改ざんしたり(ハッカー攻撃)、コンピューターの損傷や誤作動を誘発するウイルス等を植えつけたり、コンピューターに大量のメールを送りつけたりする。この戦いでは、法的・地理的境界線が存在せず、一般に入手可能な技術で、他国の戦争遂行能力をまひさせうる。情報化時代に入り、通常戦ではアメリカに劣る国々がこの戦いに着目する一方、アメリカは2020年にサイバー戦遂行部隊を創設・運営する計画である。