イスラエル国防軍が開発・装備化した移動式全天候型の短距離ロケット弾迎撃ミサイル・システム。米軍ではアイアン・キャップと呼称する。飛来する短距離ロケット弾のうち住宅地に落ちるもののみに対して、短距離地対空ミサイル(全長3メートル)をレーダー誘導で直撃させ破壊する。20発装填(そうてん)のランチャー3基、レーダー1基、射撃管制装置で1個高射隊を構成。1個高射隊の迎撃範囲は150平方キロ。イスラエルは2012年末で5個高射隊を実戦配備。レバノンのイスラム過激派ヒズボラによるロケット弾攻撃に対して、迎撃成功率は90%に近かったという情報もある。また、アイアン・ドームは高度1万メートルを飛来する航空機にも有効であると言われる。現在は射程4~70キロの1個ロケット弾しか迎撃できないが、将来は射程250キロ以内で同時に飛来する2個ロケット弾の迎撃を目指している。量的にも8個高射隊を整備する予定。12年末時点で、シンガポール軍も保有している。その他、米軍、NATO軍、韓国軍、インド軍が高い関心を示している。