キャンペーンや主要軍事行動が終結した時、国家政治指導者が望ましいと考える状況・条件。戦略レベルでは国家のあらゆる手段、作戦レベルでは作戦指揮官の保有するあらゆる手段によってこれを達成する。終末状態を達成できれば、作戦領域の統治機関が好ましい解決策を自主的に決定・実施できる。終末状態を想定する狙いは次のとおり。(1)作戦目標(武力戦遂行・治安組織増強・インフラ強化等の目標)の案出に役立つ。(2)戦争政策の成否を戦術的な勝敗(死体数、占領地域の面積・撃墜航空機数等)だけでなく、作戦上および戦略上の影響(国家指揮組織のまひ・インフラ組織の機能不全・国際世論の支持等)をもとに判断することになる。(3)戦争遂行の手段・方法を調整する(例えば、作戦終了時、敵の住民が自軍に好意的であることを望むならば、一般人のインフラへの損害を最小にするように計画を立案する)ことになる。