西側の軍事観測筋が見る中国海軍の対アメリカ国防ライン。第一列島線は九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至るラインを指す。台湾有事の際に、中国海軍が南シナ海・東シナ海・日本海へのアメリカ海・空軍の侵入を阻止するため、このライン以内の戦力を整備し、軍事行動を活発化している。この区域内には、南沙諸島問題、尖閣諸島問題、東シナ海ガス田問題など、領土問題が存在しているため、関連諸国の警戒を呼び起こしている。第二列島線は、伊豆諸島を起点に、小笠原諸島、サイパン、グアム、パプアニューギニアに至るラインである。台湾有事の際に、中国海軍がアメリカ海軍の増援を阻止・妨害するため、2020年までに戦力整備を完成させる計画であると推定されている。中国海軍は、従来、沿岸海軍であったが、第二列島線まで進出することはすなわち、外洋海軍への変革を目指していると考えられ、その動向が注目されている。