2000年2月に江沢民が地方視察のおり提唱し、01年の建党80周年記念日に江沢民の「七一講話」の中で強調された共産党の新たな定義である。従来党は自らを「労働者階級の前衛」と規定していたが、それにとどまらず先進的生産力、先進的文化、最も広範な人民の利益の代表という「三つの代表」と定義し直した。改革開放、市場化の進展の中で多様化する社会階層、特に社会の推進力となってきた私営企業家やIT情報文化の担い手などを党に迎える大胆な試みで、02年の第16回党大会で正式に採択された。この時さらに「中華民族の前衛」とも規定した。これらにより党は従来の階級政党路線を放棄し国民政党色を強め生き残りを図った。04年の憲法改正でも「重要思想三つの代表」という表現が盛り込まれた。