「台湾独立の分裂活動を抑え、国家の平和統一を実現する」ための中国の国内法。2004年12月の第10期全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、呉邦国全人代常務委員長が同草案の審議を提案し、05年3月14日、全人代会議での審議を経て正式に採択された。同法では、(1)「台湾独立」を掲げる分裂勢力が名目、形式を問わず台湾を中国から分裂させる事実を引き起こした場合、(2)台湾が中国から分裂することにつながる重大な事変が起こった場合、(3)平和統一の条件が完全に失われた場合について、「非平和的な方法や他の必要措置」により、国家主権と領土保全を守らなければならないと規定し、台湾独立阻止は「他のいかなることよりも優先される」と強調した。もっとも採択時には、「台湾が独立するか、統一の可能性が完全に失われるまでは非平和的方法をとらない」との表現も盛り込まれた。これに対し、台湾側は激しく非難。与党勢力は各地で大規模な反対集会を開催。野党の国民党も反発した。