内陸農村から、農閑期の短期の出稼ぎ、長期の建設工事、下請工場労働者、家政婦など、様々な仕事を求めて大量に東部沿海地域に流入する農民を指す。改革開放が進む中で顕著になった。こうした現象を1980年代は盲流と呼び、93年ごろから民工潮と言うようになった。農村の大量潜在失業者を受け入れる場として期待された郷鎮企業が90年代後半から頭打ちとなる中で、都市への流入は一段と増加傾向にある。2006年の中国政府「調査報告」では、農民工の月平均収入は500~800元が40%、300~500元が30%で大半を占め、1日平均労働時間は8時間以内がわずか14%、10時間以上が実に23%も存在し、その劣悪さが浮き彫りになっている。戸籍、都市住民とのトラブル、犯罪、子弟教育など社会問題に連動し、農民工をめぐる問題は重大化している。