中国の公式統計による都市失業率は1990年代にはほぼ3.1~3.3%と横ばい状況であったが、近年上昇傾向にあり、2003~06年3月は4.3%前後と上昇した。中国政府は、「09年、中国都市部住民の失業率を4.6%以下にする」と発言し、上昇傾向にあることを認めた。しかしこの数字は都市部で失業者登録した人の数でしかなく、失業者実数としては少なすぎる。08年12月に発表された社会科学院の「社会青書」では、都市失業率は9.6%と指摘している。また社会科学院のある専門家は大卒者の失業率は12%に達したと発言している。国有企業改革によるレイオフのピークは過ぎた感があるもののいまだ多く、国務院によれば1000万人以上ものリストラ失業者が再就業を必要としている。失業保険など社会保障制度の充実が急がれている。これとは別に農村の潜在失業問題(約1億5000万~2億人と推定)を併せて考えると、失業問題は重大な社会問題の一つであると言える。