2001年6月、それまでの中国、ロシア、タジキスタン、カザフスタン、キルギスで構成する会議=上海ファイブが、ウズベキスタンの正式加盟を決定、6カ国による上海協力機構(SCO)の設立となった。従来は相互の国境近辺を中心とした共同の「テロ・分裂主義・過激主義活動の取り締まり」を目的としていたが、これにより、相互の投資手続きの簡素化、多国間経済貿易協力の促進、外交協力などが盛り込まれた包括的な機構となった。その後軍事面での協力も進み、04年には中国とキルギスが軍事演習を行い、さらに05年8月下旬に9日間にわたりウラジオストク、山東省周辺で海上封鎖、上陸作戦など大規模な中ロ合同演習が実施された。07年8月には中ロ軍を中心に6500人の兵力、80機の戦闘機を投入したSCOとしては最大規模の軍事演習を実施。アメリカへのけん制というロシアの思惑と国内反政府勢力封じ込めという中国の思惑が一致したと見られている。04年からインド、パキスタン、イラン、モンゴルもオブザーバー、08年からベラルーシ、スリランカが「対話パートナー」として招かれ、存在感を増している。