小康とは「礼記」に由来し、大同という理想的な社会に向かう一つの段階で「安定しやや余裕がある状態」を指す。1982年の第12回党大会で共産党が設定した経済発展戦略「温飽(まずまず)→小康→富裕」において2000年にGDP(国内総生産)1980年比4倍増、1人あたりGDP1000ドル到達で小康社会が実現できると見通した。その後、小康段階のより詳細な基準が設定されたが、ほぼ目標値の状況が実現された。しかし地域格差は大きく、それを踏まえ2002年の第16回党大会では「小康社会の全面的建設」との新たな発展戦略が設定され、07年の第17回党大会では胡錦濤総書記の報告で過去5年間の成果と、さらにこれを積極的に推進していくことが力説された。