2013年6月、台湾の馬英九政権は中国との「両岸サービス貿易協定」の調印を突如発表した。協定によって中台関係は一段と結びつき、台湾の社会経済だけでなく、国家の安全に大きな影響を与える内容が含まれていた。不透明なまま調印された同協定に国民の疑問の声が高まる中、馬政権は14年3月17日、一方的に協定の審議を打ち切り強行採決した。3月18日の夜、不満が頂点に達した300人を超える学生のデモ参加者が立法院に突入した。国会の学生占拠は前代未聞であったが、その後多大な一般市民と学生の支持を得た。立法院の外でも、学生支持の市民が数千から数万人集まり、また台湾最大野党の民進党なども学生を支持し抗議活動を拡大させた。テレビ局TVBSの世論調査(3月24日)では、学生たちの行動に市民の51%が賛成し、両岸サービス貿易協定に68%が反対を表明した。3月27日、馬英九政権と学生側との折衝が不成立となって、学生側は無期限の立法院占拠に入った。4月6日、立法院は「両岸協議監督条例」が法制化されるまで、両岸サービス貿易協定の審議を行わないと表明し、この提案を受けて学生側は10日、立法院の議場から退去した。この一連の事態の中で、馬英九総統の支持率は10%前後にまで低下し、11月29日の統一地方選挙で国民党が大敗し、中国共産党の統一プログラムも大きなダメージを受けた。