共産党独裁は維持しながら、社会主義への市場経済システムの導入と外資の誘致によって経済の立て直しをめざすベトナムの改革・開放路線。1986年の第6回党大会で採択、92年発布の新憲法での明文化を経て、2001年12月の改正憲法は社会主義市場経済をベトナムの進むべき道と明記した。06年4月の共産党大会の政治報告は、ドイモイ政策が20年間で高度成長を達成したことを高く評価した。1990年代後半はアジア通貨危機の余波でやや減速したものの、2000年以降は平均7%超の国内総生産(GDP)成長率を持続している。これはアジアでは中国に次ぐ高成長率。06年11月に世界貿易機関(WTO)加盟。しかし経済発展とともに貧富の格差がひろがり、特に農村や少数民族の貧困が深刻な問題となっている。ホーチミン市などの大都会にはストリートチルドレンも増えてきている。