加盟国間の関税・非関税障壁の引き下げや貿易の自由化によって域内経済の活性化を図ることを目標に、1992年のASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議で打ち出された構想。99年のカンボジアの加盟によるASEAN10の実現で、域内総人口はEU(欧州連合)やNAFTA(北米自由貿易協定)を大幅に上回る約5億4800万人となった。しかし域内各国の思惑の違いなどからあまり進展が見られないまま、シンガポール、マレーシア、タイなどが域外諸国との2国間自由貿易協定(FTA)締結の動きを強め、AFTAが有名無実化しかねない状況も生じてきたため、2003年のASEAN+3(日中韓)首脳会議では、東アジア共同体の構築を視野に入れた経済、政治、安全保障など広範な連携強化の方向が合意された。すでに、中韓各国とASEANのFTAは部分的に発効し、07年8月には日・ASEAN経済連携協定(EPA)も合意・署名にこぎつけた。