2012年4月の議会補欠選挙で野党が圧勝するなどミャンマーの民主化が進展していることを受けて、各国が対ミャンマー制裁を緩和する方針で動き出した。制裁の先頭に立っていたアメリカも、同年7月、ミャンマーへの新規投資と金融取引を禁ずる経済制裁を解除した。空席だった駐ミャンマー大使も任命し、関係正常化をアピールした。オバマ大統領は同年11月、アメリカ大統領として初めてミャンマーを訪問し、ひすいとルビーを除くミャンマー産品の輸入禁止措置を解除した。日本政府も野田佳彦首相(当時)が同月、円借款を26年ぶりに再開する方針を伝えた。安倍晋三政権の麻生太郎副総理・財務・金融相も13年1月にミャンマーを訪問し、ミャンマーの延滞債務を1月末までに解消し、500億円規模の円借款の新規実行を目指す意向を表明した。世界銀行も12年11月、ミャンマーに対して25年ぶりに総額2億4500万ドルの支援枠を設定した。欧州連合(EU)やオーストラリアも同国への制裁について、武器貿易を除いて1年間停止することを決定した。