ミャンマーの現行憲法は軍事政権下の2008年5月に国民投票で92.4%の賛成票により承認された。10年4月、テインセイン首相は軍籍を離脱して連邦団結発展党を結成。同年11月に新憲法に基づく総選挙が実施され、連邦団結発展党が8割の票を得て勝利宣言した。アウンサンスーチー率いる最大野党・国民民主連盟(NLD)は選挙をボイコットした。憲法はミャンマーを「多民族からなる連邦国家」と規定し、上下院から成る連邦議会の定数の4分の1を軍人に割り当てるなど、軍人主導の国家運営を明確にしている。元首となる大統領の資格要件としても「軍事に十分に精通していること」や「両親の一方、配偶者、子供が外国籍を持っていないこと」をあげており、スーチーの排除を念頭に置いたとみられる。11年3月、テインセインは大統領に就任。軍事政権の最高決定機関であった国家平和発展評議会(SPDC)は解散し、民政に移管した。合法化されたNLDは12年4月の補選で上下両院および地方議会の計45議席のうち43議席を獲得し、圧勝した。