2013年11月8日、大型台風30号がフィリピン中部を直撃。レイテ、サマール両島を中心に、死者6000人以上、行方不明約1800人と、あわせて8000人近くに上る大きな被害を出した。被災者は約390万人に上る。台風襲来時は満潮で、タクロバン市では4メートルもの高潮によって多くの住民が流された。この被害に対して、アキノ大統領は当初、被害者数を過少に見積もるなど対応が遅れたとして批判を浴びた。主力産業のココナツ農園が壊滅するなど、好調だった経済にも打撃となった。日本から赤十字社などの医療チームのほか、自衛隊の支援部隊も派遣され、過去最大規模の1180人がホバークラフトやヘリなどを使って救援や物資輸送活動を展開。支援の基軸となったアメリカ太平洋軍と連携を深めた。日米両国の救援活動への積極姿勢の背景には、中国の海洋進出という共通の課題に直面するフィリピンとの関係強化という狙いもあったとみられる。