ミャンマー西部のバングラデシュと接するラカイン州(旧アラカン州)に多く住む少数民族。人口は推計で約130万人ともいわれる。ミャンマー国民は9割以上が仏教徒だが、ロヒンギャ族はイスラム教徒。ミャンマー政府は少数民族と認めておらず、1948年にイギリスから独立した後にバングラデシュ側から流入してきた「ベンガル人の不法移民」として、国籍も与えていない。2012年以降、地元の仏教徒との間で衝突や暴動が発生。放火・虐待を受けているとして、多数が船で脱出してマレーシアやタイ南部、インドネシアに漂着した。だが、15年5月に3カ国の当局が船を追い返して、数千人が漂流状態となり国際問題になった。これを受け、同月にタイのバンコクで、日米のオブザーバー参加を含む関係国と国際機関による対策会議が開かれ、マレーシアとインドネシアが各国の支援を前提に、期限付きで受け入れを再開することに合意した。1982年の難民認定制度導入以来、2014年までに日本政府が難民認定したおよそ半数がミャンマー難民で、その中には多くのロヒンギャ難民も含まれている。特に群馬県館林市には「在日ビルマロヒンギャ協会」が結成され、15年 12月現在約200人が暮らしている。