2005年10月8日にインド、パキスタンのカシミール地方を襲ったM7.6の大地震は、パキスタン側のアーザード・ジャンム・カシミール地域を中心に甚大な被害をもたらした。パキスタン国内では死者10万人、家屋喪失330万人と推定され、インド側でも死者1300人、負傷者4500人、3万2000家屋の損壊等の被害を出した。カシミールというインド・パキスタン間の戦略的に微妙な地域での震災ではあったが、両国は軍事的配慮のもとでも、かなり前向きの対応を示し、実効支配線(LOC)を超える救援機の派遣、両軍の協力、LOC検問所5カ所の開放などの措置をとって、被災者の救援と移動の便宜を図りあった。アジア開発銀行、世界銀行を筆頭に、国際社会は5億8000万ドルの支援を表明した。