インドのソフトウエア産業は1990年代にめざましい発展を遂げた。インド政府は80年代後半からソフトウエア産業を外貨獲得の有力産業と位置づけてきた。2012年には国内総生産(GDP)の7.5%を占める産業に成長した。この間、外資への規制緩和などの優遇措置が欧米日のコンピューター企業の対印直接投資や生産委託を増加させたほか、インド自体のコンピューターやソフト関連産業も急速に成長した。バンガロール、デリー、ハイデラバードをはじめ全国7つの主要都市に拡大しているインドのソフトウエアと関連サービス企業による輸出は、1999~2000年度の34億ドルから12年度には690億ドルに達した。また、コールセンターなど先進国企業の事務受注も大きく伸び、中国が「世界の工場」なら、インドは「世界のオフィス」だといった声も聞かれる。インド国内の関連企業を糾合する企業連盟(NASSCOM)傘下の雇用者は12年で280万人(うち3分の1が女性)にのぼる。日本では01年からインドIT技術者受け入れビザ制度を導入し、最高時の08年には、2万2000人のインド人IT技術者を受け入れた。