スリランカ北部・東部州をタミル独立国(イーラム国)とするよう要求し、シンハラ民族中心の政府と武力闘争を続けてきた過激派集団。1983年の民族暴動以来、北部州ジャフナ半島に拠点を置き、政府軍にゲリラ戦を仕掛け、政府要人や重要施設を狙うテロ活動を行ってきた。2001年のアメリカ同時多発テロ以降、アメリカなどがLTTEを「テロ組織」としてその資産を凍結、LTTEの活動は大きく制約されることになった。さらに、厳しい規律とプラバカラン議長のカリスマ的指導で統一を保ってきたLTTEだが、04年3月、東部を指揮してきたムラリダラン(通称カルナ)司令官が「東部出身者への不平等な扱い」への不満から、プラバカランに反旗を翻した。地下にもぐったカルナは支持者とともに、04年10月に政党を立ち上げるなど、抵抗を続けている。06年5月には、EU(欧州連合)がLTTEをテロ組織と認定し、資金の動きに規制を加えた。08年に入っての政府軍の攻勢により、キリノッチ、ムライティヴなどの東北部支配地域が陥落し、同年5月18日プラバカラン議長(54歳)の死亡が確認された。政府軍による捕捉から逃れた1000人あまりの活動家がいるとされるが、LTTEによる26年間の武装分離闘争は幕を閉じた。