バングラデシュでは、1971年の独立戦争時に、ラザーカール(義勇隊)、アル・バダル(満月隊)、アル・シャムス(太陽隊)などと名乗るパキスタン軍の補助部隊を組織して、アワミ連盟(AL)活動家らの独立派やヒンドゥー教徒などのマイノリティーを大量に殺害した「戦争犯罪人」の裁判が進んでいる。これらの補助部隊の幹部の多くが、当時のイスラム協会(Jamaat-e-Islami、JI)とその学生団体の指導者たちであった。73年の「国際犯罪(法廷)法」の制定以来、戦犯裁判はALの基本政策であったが、2009年1月に政権に復帰したのち、ようやく10年3月25日に同法に基づく法廷が設置された。13年12月末現在、二つの法廷で18人が起訴され、うち一人に対しては13年12月に絞首刑が執行された。戦犯裁判に対しては、当のJIが街頭行動、放火、殺人を含む暴力的な阻止行動に訴えている。14年1月の第10次国民議会選挙で、ALは戦犯裁判の完遂を掲げたが、選挙実施に反対する野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の実力行動のために、裁判の進行が妨げられている。