主要な政党としては労働党、自由党、国民党(自由国民党)などがある。労働党は労働者階級の利益を代表して労働条件の改善、福祉国家化を推進してきた社会民主主義政党である。オーストラリア最初の政党(1891年結党)であり、1901年の第1回連邦議会より党員を議会に送り、04年に最初の政権政党となった。経済面では保護貿易と産業助成に力を入れてきたが、80年代のホーク政権以来、経済改革にも取り組み、保守連合(自由党・国民党)のハワード政権(96~2007年)による新自由主義的経済改革の先駆けとなった。自由党は1943年に結成された中道右派政党で、資本主義の発展と国民個々の自助努力・自己責任、伝統的核家族と近隣コミュニティーの相互扶助を重視し、福祉国家イデオロギーと国家の介入を嫌う。クイーンズランド州に大きな地盤をもつ地域政党である国民党と長く連合している。国民党は、1920年に地方党という名で結党され、82年に国民党に改称。クイーンズランド州では、2008年にその一部がクイーンズランド州連邦自由党支部と合併して自由国民党が成立している。現在、自由党・国民党(自由国民党)が連合を組んでいる。保守連合によるハワード政権は、12年間の長期政権となり、新自由主義経済改革を追求したが、07年総選挙では敗退。ハワードは議員を引退した。アボットリーダーの下で10年の総選挙では敗北したが、13年の総選挙では大勝した。現在、無所属以外には、上院には緑の党、家族優先党、民主労働党、パーマー統一党、下院には緑の党、カッター・オーストラリア党、パーマー統一党、オーストラリア・スポーツ党などが活動している。