オセアニアの地域経済協力機構。太平洋諸国会議ともいう。1971年にニュージーランドのウェリントンで創設された南太平洋フォーラム(SPF ; South Pacific Forum)を前身とする。SPFは47年に成立した経済協力機構である南太平洋委員会(SPC)が、加盟国で支援国である旧欧米宗主国の意向を反映して、政治問題を議論できないことに不満をもった島しょ国が、政治問題も扱える域内協力機構として、オーストラリアとニュージーランドを加えて設立した。85年のラロトンガ非核地帯条約はその初期の大きな成果である。2000年10月にPIFと名称変更。同フォーラムは、オセアニア諸国首脳の対話の場として発展し、現在、オセアニアの16カ国・地域が加盟し、フィジーの首都スバに事務局を置く。なお、PIFは1989年から、域外援助国との対話を開始している。対話国には、日本を含む環太平洋諸国が多く、すでにアジア太平洋経済協力会議(APEC)に加盟しているオーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア以外の島しょ国も、APECとの連携強化を望んでいる。近年、島しょ国・地域への援助を続けてきた旧宗主国は、「援助疲れ」を感じ財政支援を大幅に削減している。その結果、島しょ国・地域は外貨獲得手段の多元化と、公共部門縮小、貿易・投資・観光促進を通じた民間セクターの育成とともに、日中台などのアジア諸国に支援を求めるなど、新たな対応を模索している。他方で、PIFは同じ2000年10月の会議において、1987年のフィジーのクーデター以降、島しょ国で頻発する政情不安に対処するために、「ビケタワ宣言」(Biketawa Declaration)を採択し、安全保障面での域内協力を確認している。ソロモン諸島内紛への多国籍軍(RAMSI)の投入により宣言が実行に移された。PIFは、自由貿易を求める一方で、先進諸国に援助を求め、かつ自らの安全保障を追求するという大きな役割を背負っている。2013年9月には首脳会議マーシャル諸島において開催された。気候温暖化対策への更なる本格的な取り組みを世界に求める「マジェロ宣言」が採択されている。中国の太平洋進出問題に関連して、アメリカも代表を参加させた。