ニュージーランド南島東北部のクライストチャーチを2011年2月22日、日本時間午前8時51分ごろ襲ったマグニチュード6.3の地震。ニュージーランドは日本同様地震の多い国だが、同市は地震空白地域となっていた。ニュージーランド国民97人、日本人28人、中国人23人を含む総計181人の死者を出した。日本は救援、医療、災害対策支援チームと自衛隊を含む70人の国際緊急援助隊を即時に派遣するとともに、義援金を贈った。地震の多い国であり国全体の耐震基準は高いが、同地域には耐震性の低い古い建物も多く被害が広がった。今回の地震は、前年9月に同地域を襲ったマグニチュード7の大地震の余震とみられている。ニュージーランドは治安もよく、英語国であるため語学研修学校が多く、外国人留学生も多い。日本人の犠牲者の多くが語学研修生であった。ニュージーランド政府は犠牲者の捜索を3月早々に打ち切ったが、4月4日時点で日本人犠牲者は28人となった。犠牲者の多くが留学していた語学学校が入っていたカンタベリーテレビ(CTV)ビルが倒壊し、がれきの下敷きになっていた(犠牲者数は116人)。その後、日本人犠牲者の遺族らは現地に慰霊碑を建てるとともに、ビル倒壊原因の究明を求めた。ニュージーランド政府はCTVビルの倒壊原因を調べる独立調査機関(王立委員会)を設置して関係者から話を聴くとしていたが、その最終報告書が12年12月に公表された。しかし、CTVビル倒壊の責任の所在がはっきりしないこともあり、遺族の多くは報告書に不満を表明している。政府による調査報告書も今後予定されている。