ニュージーランドの北東約3000キロメートル、フィジーとタヒチの間に位置し、15の島々よりなる。総面積は鹿児島県徳之島とほぼ同じで、人口は2万2600人(2009年現在)。首都はラロトンガ島アバルアにある。ポリネシア系住民が多く、クック諸島マオリ語と英語が公用語。イギリス女王を元首とする立憲君主制をとり、議会は1院制(24議席、任期4年)。1595年にスペイン人が発見しているが、1773~77年にイギリス人探検家クックが上陸・調査し、1888年にイギリスの属領となる。その後1901年にニュージーランドの属領となるが、65年に内政自治権を獲得し、ニュージーランドとの自由連合へ移行。73年にはニュージーランドとの共同宣言で、独自に諸外国と外交関係をもつ権利を獲得した。クック諸島は、太平洋島しょ国との域内協力を推進し、多くの国際機関への参加を希望しているが、防衛および外交についてはニュージーランドが責任を負っている。国際連合(UN)には加盟していないが、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)などの国際機関には正式加盟している。また、国連に加盟する31カ国およびバチカン、欧州連合(EU)諸国とも外交関係を結んでいる。日本は、2011年3月25日にクック諸島を国家として承認した。国民はニュージーランドの市民権およびパスポートを有し、ニュージーランド人としての権利をもつ。ニュージーランド政府は自国の財政難のため、早期の自立を求めているが、クック諸島からニュージーランドへの出稼ぎ労働者が多数いるため、送金に依存するクック諸島政府は消極的である。