2017年9月、パプア・ニューギニアのマヌス島難民収容所に収容されていた難民認定者22人が、アメリカのバラク・オバマ前大統領時代に締結した「米豪難民交換協定」に基づいてアメリカに移住した。ドナルド・トランプ大統領は、就任直後のマルコム・ターンブル首相との電話会談でこの協定の存在を知るとひどく立腹し、1時間の予定を20分で切り上げてしまった。トランプ大統領は会談の中で同協定を「ridiculous(ばかげた)」「rotten(腐った)」「stupid(愚かな)」などと形容し、ターンブル首相に対し「君の移民政策は私の強硬な政策より悪い」「この電話は今日もっとも不愉快な電話だ」と話したことが、メディアによって報じられるところとなった。最終的には双方ともに協定を遵守することに同意。その結果、オーストラリアの領外難民収容センターに収容されている難民認定希望者1250人が認定後にアメリカに定住を認められ、それと交換に中米の難民がオーストラリアに定住することになっている。スーダン、アフガニスタン、ロヒンギャ出身の難民認定者の多くは大喜びだったが、「もうオーストラリアのことなど聞きたくもない」と語る者もいた。