利益団体が議会に直接働きかけて立法を促す活動をロビイング(lobbying)と呼び、利益団体の代理人としてロビイングを行う人々をロビイストと呼ぶ。19世紀後半からアメリカ政治に定着したとされ、議会内のロビーなどを主要活動舞台としたことからその名前がある。ロビイストは、法的には「特定のロビー契約を結び、顧客のために使う時間の20%以上をロビイングに費やす者」と定義される。元議員や元政府高官といった議会の内情に精通している人々が多い。1946年連邦ロビイスト規制法により、ロビイストは議会に身分登録するとともに、活動内容を議会に報告しなければならない。ロビー活動の透明性を確保するためだ。2007年9月には、ロビイストと議員との癒着を防ぐため(1)議員がロビイストから贈答品を受け取ることを禁止する、(2)上院議員や政府高官は退任後2年間(下院議員は1年間)ロビイストに転身することを禁止する、などを盛り込んだ政治倫理法が成立した。国政レベルで活動するロビイストは1万5000人にのぼるともいわれ、年間のロビー活動費は30億ドル以上にのぼるという。