刑事事件で容疑者を起訴した後、裁判の罪状認否の前に検事が被告人との間で行う取引のこと。被告人が容疑の一部や軽い罪について有罪を認めた場合に、その代償として被告人の罪を軽減するというもの。裁判にかかる時間と費用を節約するのが目的で、訴訟件数が膨大なアメリカならではの制度。原型は開拓時代の当事者主義にさかのぼる。1970年、連邦最高裁判所はブレディ判決で司法取引の適法性を認めた。その後、連邦刑事手続き規則が改正され、司法取引の手続きの適正なルールが定められた。現在では、重要な刑事事件の約90%で司法取引が行われているという。