ブッシュ大統領(当時)は2001年9月11日の同時多発テロの直後「テロとの戦い」を宣言した。同年10月、テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンをかくまっていたアフガニスタンのタリバン政権を攻撃する不朽の自由作戦(Enduring Freedom Operation)を開始。2カ月で同政権を打倒、国際テロ組織網アルカイダの拠点を破壊した。03年3月に開始したイラクの自由作戦(Operation Iraqi Freedom)では、わずか3週間でフセイン政権を打倒し、ブッシュは5月1日、大規模戦闘の終結を宣言した。しかし、反米武装勢力による米軍を標的にした自爆テロが頻発、米軍死者は増え続ける中でブッシュは06年8月、対テロ戦を「21世紀を決するイデオロギーの戦い」と位置づけた。オバマ大統領は11年6月、ブッシュ前政権が進めた大規模な「テロとの戦い」と決別し、国際テロ組織アルカイダに標的を絞った戦いを重視する、新たな「対テロ国家戦略」を発表した。新戦略では、アフガニスタンやパキスタンでアルカイダ幹部の掃討を続ける一方、イエメンやソマリアの関連組織の対策に力を注ぐ方針が示された。オバマ大統領は13年5月23日、ワシントン市内の国防大学で2期目のテロ戦略について演説し、「テロ組織を解体する組織的な努力は続けるが対テロ戦争は終結させなければならない」と強調、「テロとの戦い」を大幅に縮小し、終結を目指す考えを示した。