アメリカ国務省は国際テロ活動の年次報告書で、国際テロ組織に資金や武器を供与しているなどとして、特定の国家を指定している。2014年3月現在(カッコ内は指定年)、シリア(1979年)、キューバ(82年)、イラン(84年)、スーダン(93年)の4カ国。アメリカ政府は指定国家に対して、武器関連物資の禁輸、経済援助の禁止、国際金融機関の融資に対する反対、などの制裁を科している。クリントン政権(1993~2001年)は1999年11月、国際テロを支援するキューバ、北朝鮮、イラン、イラク、リビア、スーダン、シリアの7カ国をならず者国家(rogue states)と名指しした。ブッシュ大統領(当時)は、2002年一般教書演説で、大量破壊兵器(WMD)がテロリストに流れることを懸念し、とくに北朝鮮、イラン、イラクの三国を悪の枢軸(Axis of evil)と名指しして非難。コンドリーザ・ライス国務長官(当時)は05年1月、上院外交委員会で開かれた自らの指名承認公聴会で、人権問題を抱えるキューバ、ミャンマー、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、ジンバブエの6カ国を、圧政の拠点(outposts of tyranny)と名指しした。テロ支援国家の指定を解除する場合、大統領がその意向を議会に通告し、通告から45日後以降に最終的な判断が下される。これまでに指定を解除されたのは、南イエメン(1990年)、イラク(2004年)、リビア(2006年)、北朝鮮(2008年)の4カ国。