ブッシュ前政権の対中政策の立案・調整を担ったロバート・ゼーリック国務副長官が提唱したもので、中国では「利益相関的参与者」と訳され、米中関係のキーワードとして使われている。政治、経済、安全保障の各分野における国際秩序を維持するために、中国に対し「利益相関的参与者」としての行動を求めたもの。中国を大国扱いする代わりに、それにふさわしい国際貢献を求めるといった意味が込められている。ブッシュ大統領(当時)は2006年3月発表した「アメリカ国家安全保障戦略」改訂版でも言及、同年4月20日に行われた胡錦濤中国国家主席との首脳会談でも、対中関係について「国際システムにおけるステークホルダーとして多くの戦略的利益を共有する」と述べた。もともとゼーリックが05年9月のニューヨークでの講演で「中国が責任あるステークホルダーになるように促す必要がある」と発言したことに由来する。ゼーリックは06年6月国務副長官を辞任し、07年7月に第11代世界銀行総裁に就任した。