同時多発テロを防げなかった反省からブッシュ政権(2001~09年)が乗り出した情報機関の大改革によって2004年12月に新設された閣僚級ポスト。国家安全保障会議(NSC) のアドバイザーを務め、15の情報機関を統括しアメリカ本土への危機を回避するのが最大の責務。連邦政府には中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)をはじめ、国防総省傘下の国家安全保障局(NSA)、国防情報局(DIA)など15の情報機関がそれぞれ独自に情報収集にあたっていた。同時多発テロの再発を防ぐ方策を探るために設置された「9.11委員会」は04年7月に公表した最終報告書の中で、情報機関の縦割りの弊害が国際テロ組織アルカイダにつけ入るすきを与えたとして、国家情報長官や国家テロ対策センターの新設などを提言していた。国家情報長官は、15機関が収集した情報を集約して大統領に直接報告し、年間400億ドルにのぼる情報関連予算の執行権限も握っている。