2001年9月11日、テロリストたちに乗っ取られた民間航空機がニューヨークの世界貿易センタービルとワシントン郊外の国防総省ビルに相次いで突入した未曽有の自爆テロ事件。その日付から「9.11」などとも表現される。ほぼ同時に乗っ取られた4機のうち2機が世界貿易センタービルに突入、110階建て超高層双子タワー2棟が崩壊した。残る2機のうち1機が国防総省ビルに突入、1機はピッツバーグ近郊に墜落した。ニューヨーク市の集計によると、突入した2機の乗員・乗客のほか世界貿易センターで働いていた人々、消火・救命に向かった消防士ら計2793人が死亡した。国防総省では突入機の乗員・乗客のほか職員ら計184人が死亡、墜落機では乗客・乗員40人が死亡した。4機を乗っ取ったテロ実行犯は計19人だった。ブッシュ大統領(当時)は同月20日に連邦議会で行った演説の中で、同時多発テロを「戦争行為」と呼び、国際テロ組織アルカイダの犯行と断定、アフガニスタンのタリバン政権に対して首謀者ウサマ・ビンラディンらアルカイダ指導者全員の引き渡しを要求するとともに、対テロ総力戦を宣言した。11年5月、米海軍特殊部隊がパキスタンの潜伏先を急襲してビンラディン容疑者を殺害した。崩壊した世界貿易センタービル跡地には超高層ビル「1WTC(世界貿易センター)」を含む超高層ビル6棟、犠牲者を追悼する9.11記念博物館などを建設中。「1WTC」の高さは、アメリカが独立した1776年にちなんで1776フィート(541メートル)で、全米で最も高いビルとなる。