マサチューセッツ州で2004年5月、州レベルとしては全米で初めて同性婚が法的に認められて以来、各州に同性婚合法化の動きが広がった。他方、1996年に制定された連邦結婚防衛法(DOMA ; Defense of Marriage Act)」は結婚を男女間の関係に限定しているため、同性婚は、宗教観や道徳観を問う政治テーマとして、アメリカ社会で賛否が二分している。オバマ大統領は13年1月21日に行った2期目の就任演説で、アメリカ大統領として初めて「同性愛者の法の下での平等」に言及した。連邦最高裁判所は同年6月26日、結婚を男女間のものと定めた「結婚防衛法」の条項は、法の下の平等に反するとして違憲と判断し、同性婚カップルに対して連邦レベルの税控除や社会保障など、異性婚カップルと同様の恩恵を認めた。連邦最高裁は15年6月26日、すべての州での同性婚を認める判断を下した。この判決前まで同性婚は37州と首都ワシントンで認められ、13州で禁止されていた。2010年国勢調査によると、同居している同性カップルは全米で約65万組、うち既婚者は13万組。