2008年のアメリカ大統領選挙は民主党のバラク・オバマ候補と共和党のジョン・マケイン候補による上院議員同士の争いとなったが、11月4日投開票の結果、オバマが大勝し、1776年の建国以来初のアフリカ系(黒人)大統領が誕生する歴史的な選挙となった。オバマが獲得した選挙人は、過半数(270人)を大きく上回る365人(28州・コロンビア特別区)で、マケインの獲得選挙人は173人(22州)。一般投票の集計結果は、オバマ6688万2230票(53%)、マケイン5834万3671票(47%)。出口調査によると、オバマは30歳未満の若者、黒人やヒスパニックなどマイノリティー(少数民族集団)の圧倒的な支持を集めた。オバマはインターネットを駆使する戦術で、若者の政治への関心を高めるともに、10~100ドル以下の個人献金を広く集め、献金額は過去最高の約7億5000万ドルに達した。オバマの巧みな弁舌は、人種の壁を越え、若者や女性、貧困層、富裕層など幅広い人々を魅了した。