不法移民人口は約1100万人。1989年には250万人だったが、90年代以降に急増し、2007年に約1200万人とピークに達した後、減少に転じた。主に農業や建設業などで就労、労働力全体の約5%を担っている。このため不法移民は経済を支えているとの肯定論と、教育・医療制度への負担がかかるとする規制論とで世論は分裂している。オバマ大統領は12年6月15日、不法移民の若者(16歳までに入国、30歳未満、5年以上アメリカに在住、高学歴・兵役経験者)について国外退去の対象外とすると発表した。不法移民問題を2期目の最優先課題に掲げるオバマ大統領は14年11月20日、不法移民の半数近い約500万人の強制退去を3年間免除する救済策を発表した。アメリカの市民権や永住権がある子供を持ち、アメリカに5年以上居住する親が対象になる。親だけが不法移民として強制送還されて家族が引き離されている問題を救済する狙いがある。