9.11同時多発テロをきっかけに、2001年10月に始まったアフガニスタンの対テロ戦争をめぐりオバマ大統領は11年6月22日、ホワイトハウスで行った演説で兵力10万のアフガニスタン駐留米軍は同年7月から撤収を開始し、14年末に戦闘部隊の撤収を完了する計画を発表した。オバマ大統領は12年5月1日、アフガニスタンを電撃訪問、同国との戦略協力協定に調印し、14年末の治安権限移譲後も米軍を駐留させると表明した。アフガニスタンでは12年2月以降、アメリカ兵によるイスラム教聖典コーラン焼却事件などによる反米感情が高まり、米軍を中心とする国際治安支援部隊(ISAF)軍兵士がアフガニスタン治安部隊要員などによって殺害される事件が急増した。オバマ大統領は14年5月25日、アフガニスタンを予告なく訪問(就任以来4回目)し、現地に駐留するアメリカ兵を激励、同月27日には、駐留米軍を16年末までに完全撤退させる計画を発表した。同年9月29日、アフガニスタンでガニ新政権が発足し、翌30日には駐留米軍戦闘部隊の撤収後も治安部隊の訓練などを行う米軍要員が駐留を続けることを定めた安全保障協定の調印式が行われた。駐留米軍戦闘部隊は同年末で任務を完了し撤収した。