オバマ政権に不満を抱き、対決姿勢をとる保守系市民による草の根運動。2009年春ごろからインターネットの呼び掛けなどを通じて広がった。巨額の歳出を伴う景気対策や医療保険改革を「大きな政府」と批判し、税金の無駄遣いをなくして「小さな政府」をめざす。運動の名称は、アメリカ独立前の1773年に当時の宗主国イギリスが、植民地のアメリカから輸入する紅茶に課税したのに反発したボストン市民らが、イギリス船が積んでいた紅茶箱を海に投げ捨てた「ボストン・ティーパーティー(茶会)事件」に由来する。ティー(TEA)には「Taxed Enough Already(増税はもうたくさんだ)」の頭文字をとったという説もある。2010年11月に行われた中間選挙を前に、運動は全国的に広がり、選挙で共和党が躍進する原動力となった。運動の参加者の大部分は白人の保守層で、一部が人種差別的行動をとっているとして、公民権団体から非難されている。運動を統率するリーダーはいないのも特徴の一つ。12年議会選挙を経て共和党内では、穏健派が主導権を握り、ティーパーティーの影響力に陰りが見えてきた。14年中間選挙ではティーパーティーに頼らなった候補者の当選が目立った。