各国政府の機密や企業の秘密情報を暴露する民間の内部告発ウェブサイト。2006年にオーストラリア人のネット起業家ジュリアン・アサンジが立ち上げた。イラクで米軍ヘリがロイター通信のイラク人記者らを射殺した動画を10年4月に公表し一躍世界の注目を集めた。同年7月に9万点を超えるアフガニスタン駐留米軍の文書を公開して以降、その後3年間にイラク戦争関連文書40万点以上、アメリカの外交公電約25万点などをネット上に公開した。アサンジはウィキリークスの存在意義について「政府が透明になれば民主主義が強まり、腐敗も減る」と主張している。アサンジはスウェーデンでの女性への性的暴行容疑で10年12月にロンドン警視庁に逮捕され、イギリス最高裁判所が12年6月、身柄のスウェーデンへの移送を認める決定を下したことから、エクアドル大使館に逃げ込んだ。一方、ウィキリークスに機密文書を流した容疑で10年7月に訴追されたブラッドリー・マニング陸軍上等兵に対し、メリーランド州フォートミード基地で開かれた軍法会議はスパイ防止法違反など20の罪状で有罪とし、13年8月、禁錮35年の判決を言い渡した。マニング上等兵は、軍事や外交に関する約70万点の文書や、イラクで米軍ヘリがイラク人記者らを射殺した映像をウィキリークスに不法に提供したとしてイラク駐留中に逮捕された。