司法省に所属し、主要な使命はテロリストや外国諜報機関の脅威からアメリカを守ること、連邦刑法に抵触する犯罪の捜査を通じて治安を維持することにある。複数の州にまたがる広域事件や連邦政府の汚職事件、被害金額が大きい銀行強盗事件などの捜査も担当する。1908年セオドア・ルーズベルト政権時代に司法省内に設置されたスタッフ数人の小規模な捜査局として発足した。1924年に29歳の若さで捜査局のトップとなったエドガー・フーバーは、捜査局が1935年にFBIと改称されたことに伴い初代長官に就任した。フーバーは、30年代にはギャング壊滅、第二次大戦中にはスパイ摘発を陣頭指揮し、大戦後は共産主義者を追放するマッカーシズム旋風下では左翼活動家の捜査に力を注ぎ、政治家のスキャンダルを暴くなど、72年に他界するまで約半世紀にわたりFBIのトップとして君臨した。首都ワシントンの本部(J・エドガー・フーバー・ビル)をはじめ全米各地で活動する職員総数は約3万6000人。