ケベック州のカナダからの分離・独立をめざす政党。1960年に発足した州自由党政権の下、州の近代化や民主化で成果を上げたルネ・レベックが、連邦制維持という自由党政権の路線には満足せず、68年に分離主義を掲げる複数の団体を一本化して結成した。76年には、ライバルの自由党をおさえて政権政党の座についた。それ以降、自由党とケベック党が政権の座をめぐり争うという構図が定着している。2012年9月にはしばらく野党にとどまっていたケベック党が選挙で勝利を収め、久しぶりに政権の座に復帰した。ケベック党の政策基調はリベラルで社会民主主義的な立場を取ることが多く、分離主義よりも社会・福祉政策の領域で一定の実績を上げてきた。また州内における言語使用について州政府の裁量で比較的自由にコントロールできることから、1977年には「フランス語憲章」を制定した。いわゆる言語ナショナリズムの具体化であり、ケベックにおいてはフランス語の地位を強化するという意義がある。分離主義の路線に関しては、州民投票により、その是非を問うという方法を選択してきた。ケベック党政権下の80年5月と95年10月に州民投票が実施されが、分離にむけての意見はともに否決された。