大統領を補佐し、政策策定や省庁間の政策調整に大きな役割を果たしている大統領直属のスタッフ。大恐慌後の一連のニューディール政策を実行するため多数のスタッフを必要としていたフランクリン・ルーズベルト大統領が制度化した。大統領補佐官は、初期の秘書的な役割から次第に政策策定を主導する役割を担うようになった。閣僚とは異なり上院の承認を必要としない政治任用職なので、大統領は自由に任免できる。政治的に緊密な関係にある側近や大統領選挙キャンペーンの担当者、旧知の友人らが任命される傾向にある。大統領補佐官の職務や権限、定数などについて法律上の規定は存在しない。閣僚級ポストの首席補佐官(chief of staff)は、大統領と閣僚や行政各部との橋渡し役をつとめる。