トルーマン政権下で1947年国家安全保障法(National Security Act of 1947)によって創設された国家安全保障に関し大統領に助言する最高諮問機関。アメリカと旧ソ連の東西冷戦激化に伴い設置された。国家安全保障政策の立案・遂行や関係省庁との調整を主な任務としている。正式メンバーは、大統領(議長)、副大統領、国務長官、国防長官だが、定例会議には国家情報長官(DNI)や統合参謀本部議長、国家薬物規制政策局長はアドバイザーとして出席、大統領首席補佐官や大統領顧問、経済政策担当大統領補佐官も出席する。財務長官や司法長官らは随時、会議に出席する。国家安全保障担当大統領補佐官は、会議の議題を設定し、必要資料や会議の議事録作成の責任を持つ。スタッフの主要な任務は、情報の収集・分析、大統領の政策オプションの作成。最大規模だったニクソン政権下では300人近いスタッフがいたが、カーター政権以降、200人程度で推移している。政治任用された上級スタッフは、大統領の優先する政策課題をより忠実に実現しようとする傾向があることに加え、少数のメンバーで迅速に意思決定ができるという長所がある半面、スタッフの肥大化などの問題点も指摘されている。