アフガニスタンやパキスタン、イエメン、ソマリアなどで、国際テロ組織アルカイダやイスラム原理主義勢力タリバンなどに対し、米軍やアメリカ中央情報局(CIA)が行っている無人武装偵察機(UCAV ; Unmanned Combat Aerial Vehicle)による攻撃。無人機は、高性能監視カメラの映像と衛星を通じ、戦場から遠く離れたアメリカ国内の基地でオペレーターが遠隔操作できる。2001年10月、アフガニスタンで初めて実戦投入された。04年ごろからテロリスト掃討作戦での無人機使用が本格化し、攻撃回数はオバマ政権下で急増した。アフガニスタン、イラクと相次ぐ戦争でアメリカ国民の間に厭戦(えんせん)ムードが広がる中で、米兵の生命を危険にさらすことなく標的を攻撃できる無人機攻撃は、米軍の被害を最小限に抑える一方で、最大限の成果を期待できる。そのうえ無人機は同様の機能を持つ有人航空機と比べコストが格段に低い。このため国防総省は無人機を次世代戦争の主力兵器として重視している。しかし、無人機による民間人への誤爆への批判が高まったため、オバマ大統領は13年5月、無人機の運用を厳格化する方針を示した。アメリカの無人機攻撃は10年をピークに減少傾向にある。