2013年4月15日に開かれたボストン・マラソンのゴール付近で爆弾が2回爆発し、3人が死亡、200人以上が負傷したテロ事件。市民を狙った計画的な無差別テロで、圧力鍋の中に釘や金属球が入った手製爆弾が使われた。アメリカ本土でテロ事件の犠牲者が出たのは、01年9月に起きた同時多発テロ以来。4月18日深夜、マサチューセッツ工科大(MIT)で起きた警官殺害事件に関与した兄弟が容疑者として浮上、兄(当時26歳)は警察との銃撃戦で死亡、弟(当時19歳)は逮捕された。弟の供述によると、アメリカが主導したイラクやアフガニスタンでの戦争への反発が犯行の動機だった。容疑者の兄弟はイスラム教徒が多数を占めるロシア南部のチェチェン共和国の出身で、02年にアメリカに渡り定住した。アメリカ育ちの兄弟が過激思想に染まり、テロに走ったとみられるところから「国産型テロ(ホームグロウンテロ)」対策が重要課題として浮かび上がった。1897年に始まったボストン・マラソンは、世界6大マラソンの中で最古の歴史を誇り、国内外から毎年2万人を超える市民ランナーが参加している。