アメリカ政府機関が外国の情報機関やスパイの活動を監視する際の手続きを定めた法律で、1978年10月に成立した。国家安全保障局(NSA ; National Security Agency)などがアメリカ国内や国民を対象に情報収集する場合、特別裁判所(外国情報監視裁判所)への令状請求や議会への報告を義務づけている。2001年9月の同時多発テロをきっかけに見直され、監視対象にテロリストを含めた。その後もたびたび改正され、テロ対策を目的とする盗聴を容易にするなど捜査機関の権限を大幅に強化・拡大した。ブッシュ大統領(当時)は05年12月、NSA が同時多発テロ直後からアメリカ国内の在住者を対象にして裁判所の令状なしに電話盗聴や電子メールを傍受していたことを認め、批判を浴びた。08年7月には、テロ捜査の過程で電話や電子メールなど交信当事者が外国にいる場合にはNSAが令状なしで盗聴することを認める同法改正案が上下両院を通過し、ブッシュの署名により成立した。