カナダ政府は毎年、州政府や関係機関と協議のうえ、受け入れを予定する経済移民や難民の総数(下限と上限)を定めてきた。ここには移民の能力や技能をポイント制度で評価して受け入れを決定する経済移民やその家族などが含まれている。入国を認められた移民には永住権が与えられ、数年後には国籍申請を行いカナダ人となる。これまで毎年20万から25万人前後の受け入れ実績がある。しかし、外国からの移民申請を審査し、判定するには時間がかかることもあり、最近では永住権を付与せず一定の期間に限りカナダ国内での就労を求めるという制度が拡大してきた。これには異なるプログラムが用意されている。たとえばカナダ人の就労機会を損なうことがないように、募集する前に採用募集を行い、これにカナダ国内からの応募がない場合には海外からの労働者を事業主は招くことができる。往復の旅費は事業主の負担であり、実費徴収は可能であるが、アパートなどに住居を提供することが必要である。また個人の家庭に住み込みで介護や子供の世話をするプログラムもあり、これにはカリブ海地域からの女性が多く応募している。2009年のデータによれば、新しくカナダでの就業を認められた外国人労働者数は約38万2000人となり、永住権・国籍付与を前提とした経済移民数を超える規模にまで拡大してきた。